社労士受験生のみなさん、こんにちは。
今回は無勉層の破壊力が今年の選択式の救済に与える影響について検証したいと思います。
まずは無勉層の特性から見てみましょう。
無勉層とは
無勉層とは「夏の恒例行事として毎年受験をしているが合格する気は全く無し」という層です。年間の勉強時間は30時間に満たないでしょう。
受験者全体に占める割合では無勉層が圧倒的多数となっており、無勉層の得点動向によって救済の有無が決まるというのが現在の仕組みになっています。
無勉層の強みと弱みをまとめると次のようになります。
②鉛筆転がしに強い→余計な雑念が入らず、最低でも正解率25%を確保する
③四択に強い→面倒くさいから5空欄全部同じ数字をマークして3点確保とかw
④新聞ネタ(常識)に強い→朝勉強もしないで、新聞を読んでいるw
②数字に弱い→初めから覚える気がない
③社会保険に弱い→社会保険科目(特に厚年)を勉強を殆どしないまま試験日を迎える
④20択に弱い→グルーピングもままならない
⑤個数問題スルースキルがない→ガチンコ勝負して失点、かつ、スタミナ&時間をロス→年金科目で例年以上に失点する。
無勉層がその弱みwを活かして、存在感を示したのが平成26年です。
その年、スクール層にとっては、雇用保険法は数字と改正の楽勝問題で、統計調査の出題であった労働に関する一般常識(労一)の方が遙かに難関でした。大方の救済予想は「労一救済あり」で雇用保険は話題にもなっていなかったわけですが、結果、「労一救済なし」「雇用保険救済あり」というスクール層にとっては理不尽としか言いようがない結果となったのです。
これが俗に言う無勉層の破壊力です。
圧倒的多数を占める無勉層が、読解力で解ける労一はそれなりに得点し、数字と改正の雇用保険で全く得点できずで、受験者全体の得点分布が労一>雇用保険となったことから、逆転現象が生じたのです。
さらに強烈であったのが、平成28年の健康保険です。
これもスクール層にとっては楽勝問題だったのですが、無勉層が弱点属性をエグられて、雇用、厚生年金をさし置き、圧倒的なパワーで救済基準を満たしたのです。
こういった層の得点動向が合格基準点の設定に多大な影響を及ぼす現在の仕組みはいかがなものかという気は致しますが、現状ではそうなっています。
これらの特性を踏まえた上で、今年の選択式の各科目の受験者全体の平均点を予想します。
選択式の平均点
次の表は過去3年間のスクールデータと本試験平均点です。
TACと本試験を比べると、
・平成28年→乖離幅の最大は「健保」1.39点、最少は「労一」0.26点
・平成29年→乖離幅の最大は「雇用」1.37点、最少は「労一」0.69点
となっています。
無勉層の破壊力が発揮されたのは、一例として、平成29年の雇用保険です。
TAC平均点は3.7点と補正の見込みは薄かったのですが、これに対し、ユーキャンが2.8点を記録。
この年の雇用保険は数字と改正の問題が中心で、無勉層の弱点をついてきています。それで無勉層に近いユーキャンとTACの乖離幅が広がったのです。
結果、全体得点分布もやや瀑下げとなり、ギリギリ補正基準に該当するしました。
他、無勉層の破壊力が発揮された有名なw例は平成28年の健保です。
逆に、無勉層の破壊力が微妙に発揮されなかった例が平成28年の雇用保険です。
択一式の平均点
次の表は過去3年間のスクールデータと本試験平均点です。
やはり、TACに比べて、ユーキャンは、本試験の全体データに近いことが分かります。
TACは今年少し下げています。
近々、ユーキャンの発表があるそうなので、それで大体、予想が固まりそうです。
今後、TACとユーキャンの差及び各科目の問題の特性から、今年の受験者全体の平均点は次のとおりと予測します。
予想の根拠はおってご紹介していきます。
その予想平均点から、今後得点分布を推定し、救済予想を行いたいと思います。
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