社会保険労務士試験合格を目指す皆様、こんにちは。
各スクールの模擬試験を受験された方も多いと思いますが、択一式の試験の解き進め方は次のタイプに分かれると思います。
「正解肢を特定したら、他の肢はチェックせず次の問題に進む」一本釣りタイプ
vs
「5肢すべて正誤判断する」底引き網漁タイプ
今回は、「一本釣り」タイプと「底引き網漁」タイプの、それぞれのメリット、デメリットをまとめます。
「一本釣り」タイプのメリット・デメリット
「一本釣り」タイプは5肢のうち正解肢のみを正誤判断して、他の選択肢はスルーする解答の仕方です。
本試験全70問は、おおむね「正しいものはどれか」問題が6割、「誤っているものはどれか」問題が4割という構成になっています。
このうち、「一本釣り」がし易いのは「誤っているものはどれか」問題です。積極的に一本釣りを狙っていきましょう。5肢の中で誤っている肢を見つけたらそれが正解肢です。他の肢はスルーして次の問題に進みましょう。
その際は、5肢をA→B→C→D→Eの順番にこだわらずに「解きやすそうな肢からチェックしていく」のがポイントです。「解きやすそうな肢」というのは、見慣れた問題文(過去問改編系)や短文の問題文です。
一方で、「正しいものはどれか」という問題は、「正しい肢」を一つ探す問題です。「正しいものはどれか」問題は、正しい肢を「正しい」と断定することはやや難しいため、基本的には、×の肢を4つ見つけて、残った肢が正解肢、という消去法で攻めるが手堅いです。
とはいえ、どこをどう探しても×の要素が○の肢も登場します。例えば、昨年の労基法問2はAがどこから叩いても○ですので、他の選択肢をチェックする必要はないのです。
この「一本釣り」タイプの最大のメリットは、正誤判断の機会を減らせる分、時間とスタミナの節約が図れることです。後半の科目に入る頃には時間もスタミナも尽きかけて「問題文を眺めているだけで全く頭に入ってこない」状態になりがちな方にオススメです。
前半の科目から「一本釣り」を多用し、後半の科目に備えましょう。また、未知の選択肢に変に引きずられてしまうという事態も減らせます。
一方で、「一本釣り」タイプのデメリットは、正解肢ではない肢を間違って釣ってしまった場合に、他の肢をチェックしないため、間違いに気付きづらいことです。
従って、なんでもかんでも一本釣りをするのではなく、自分がほぼ100%を理解していることを中心に一本釣りを狙っていって、100%ではない項目については、他の選択肢との相対評価を行いましょう。
「底引き網漁」タイプのメリット・デメリット
「底引き網漁」タイプは5肢をすべて正誤判断した上で、次の問題に進む解答の仕方です。
最大のメリットは、正誤判断のミスに気づくことができる点です。例えば、「誤っているものはどれか」問題でBを×と判断した後、Eも×と判断した場合、BEどちらかの判断が間違っていたことに気づくことができます。この場合、BEを再度精読すれば、本当の正解肢を導き出せる可能性が高い、すなわち確度が高い解答を導けます。
一方でデメリットは、とにかく時間とスタミナを使うということです。択一式で50点オーバーの実力があればそもそも1肢当たりの解答スピードが早いので、時間内に、かつ、確度の高い解答を出すことが可能ですが、択一式ボーダーライン上の実力だと、時間切れ&スタミナ切れになる可能性が高いです。
結局、どちらがよいの?
以上「一本釣り」タイプと「底引き網漁」タイプのメリット、デメリットについてご紹介しましたが、どちらがよいかは実力や性格による部分が大きいです。
また、「誤りどれか」問や得意な科目は「一本釣り」タイプで、「正しいのどれか」問や苦手な科目は「底引き網漁」タイプという風に、設問や科目によって使い分けするのもありだと思います。
是非模擬試験の場で試してみてくださいね。