社労士試験 平成28年 択一式42点。ゆえに来年は易しくなる?理由とは-その1

合格ライン予想

社会保険労務士試験を受験された皆様、こんにちは。

社労士試験 平成28年(2016年)の合格発表が11月11日(金)があり、試験の概況が次の通り公表されています。

平成28年の合格者数、合格率、合格基準点

●合格者数1,770

●合格率→受験者39,972人で4.4(過去2番目に低い率

●択一合格基準点&救済科目42点以上(常識厚年国年点以上

●選択合格基準点&救済科目→23点以上(労一健保点以上

合格者数、合格率をみても非常に厳しい試験であったといえるでしょう。

しかし、択一式の合格ラインは42点と比較的低いものとなりました。

この結果から、来年の試験の択一式の問題は易しくなると推測しています(選択は分かりませんが)。その理由はいくつかありますが、これから説明していきます。

さて、平成28年の42点は過去の合格ラインの中での位置づけはどのようなものでしょうか。

42点は過去の合格ラインで2番目に低い点数

次の表は合格ラインが公表されるようになった平成13年以降の推移です。

択一過去16

択一式の合格ラインは、過去最高は48点(平成20年)、過去最低は41点(平成18年)です。平成28年の42点は過去2番目に低い点数となっています。
国家資格は60%から70%の得点が合格基準点となることが通例ですので、42点というのはそのギリギリのラインですね。

さて択一式の合格ラインは前年の平均点との差で変動することになっています。そのルールは次のとおりです。

択一式 総得点 補正ルール
①前年度の平均点との差が±0.5点未満→前年度と同じ
②前年度の平均点との差が+0.5点以上→前年度より上げる
・+0.5点~1.4点→1点上げ
・+1.5点~2.4点→2点上げ
・+2.5点~3.4点→3点上げ
※以下同じ法則で上げていく
③前年度の平均点との差が-0.5点以上→前年度より下げる
・-0.5点~1.4点→1点下げ
・-1.5点~2.4点→2点下げ
・-2.5点~3.4点→3点下げ←平成28年はコレに該当
※以下同じ法則で下げていく

平成28年の試験に当てはめた場合にどうなるでしょうか。

平成28年択一式の平均点が下がった理由

次の表は、平成28年の各スクールと本試験の得点データの比較表です。

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右側の本試験公開データをみると、択一式の平均点が-2.5点となっています。上記の-2.5点以上→3点下げのルール通り、平成27年の45点から3点下げて42点となったことがわかります。この差が仮に-2.4点なら43点だったわけですから、42点で合格された方はまさにギリギリだったわけです。

今回、択一式の平均点が下がった理由として、次のように推測します。

択一式の平均点が下がった理由

①個数問題、事例問題が増加→時間と思考力のロス
②解答時間の不足→後半の年金科目での取りこぼし
③試験順番の変更Ⅰ→午前の選択式で気力・体力を奪われて午後の択一へ
試験順番の変更Ⅱ→無勉層が午前選択で飽きて、午後択一は無気力解答

③④の試験順番の変更の影響は結構あったでしょうね。

平成28年の試験時間と順番は次の通りとなっています。

試験時間・順番

選択式:10:30~11:50(80分)
 ~休憩~
択一式:13:10~16:40(210分)

10:00の集合から5時間くらいたってバテた状態で後半科目に入っていきますし、またメンタル的にも午前の選択の出来が不安で午後もどうしても気がかりになってしまったり、逆に、選択の出来がよくて高揚状態になり択一で冷静に判断できなかったということもありそうです。

また、無勉層は、午前の選択式で飽き諦めで、午後はほどんど無気力でマークしていた可能性もあります。
今年の択一式の科目の人数は1科目平均813人です。確率的に0点を取る方が難しいというのに、昨年の482名から331名の大幅増加です。特に常識以降の4科目はすべて0点人数が1,000人を超えています(社労士試験仕手集団がわざと特定科目で0点を取って●●●のために基準点を操作しているのではという陰謀説が唱えられるレベルの多さww)。
この0点人数の増加分だけで全科目平均点を0.2~0.3点変動させるパワーがあるので相当です。

試験順番については、平成27年は「午前:択一→午後:選択」であったのが、平成28年から「午前:選択→午後:択一」の順番に変わりました、というか、戻りました

元々東日本震災前は「午前:選択→午後:択一」の順番でしたが、震災直後の平成23年試験から電力不足の影響で試験順番が臨時的に「午前:択一→午後:選択」となり、それが平成28年に元の「午前:選択→午後:択一」の順番に戻ったわけです。
電力不足と試験順番がどういう関係があるのかといえば、次のとおりです。

運営担当さん「あかん。会場を貸してくれる大学側から電力消費ピークのお昼から夕方に電気つかってくれるなって要請きたで。」
「どないしよ・・・10:30スタートのままだと試験の終了時刻とかぶっとるやん。」
「そうや!試験開始時刻を9:00スタートにして終了時刻を早めればいいんや!」
「いや、まて。9:00スタートにすると選択式が10:20に終わって休憩になってまう。お昼には早すぎるやん・・・」
「そうや!試験順番を入れ替えるんや!択一式9:00スタートで12:30終了や。ちょうどお腹が空く頃や!ご飯も美味しく食べられるで!」
通知「電力需給を鑑み試験順番を変更いたします(・`ω´・ ○)キリッ」

以上試験順番が変更された経緯(妄想w)です。

来年の択一式が易しくなる理由-その1

そういうことで、「午前:選択→午後:択一」が本来の順番ですので、来年もこの順番で実施されるでしょう。

ということは、来年もこの試験順番が択一式平均点(=基準点)の押し下げ要因になるということです。

これが、来年の択一式が易しくなる(=基準点が下がってクリアしやすくなる)理由の1つ目となります。もちろん今年と同じ条件ですから大幅に下がることはないと思いますが、上振れすることもなく、個数や事例が多い現在の試験傾向のままであれば、40点台前半での低空飛行が続く要因の一つになるでしょう。

震災前の「午前:選択→午後:択一」の頃は、選択式も今ほど難しくなく、気力と体力のロスも現在ほどではなかったですし、択一も個数問題とかなかったですからね。

以上、来年択一式が易しくなる理由-その1です。

来年択一式が易しくなる理由-その2については、次の記事でまとめます。

社労士試験 平成28年 択一式42点。ゆえに来年は易しくなる?理由とは-その2
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