【最高裁判例】学校法人専修大学事件 東京高裁差し戻し審判決とその後【社労士】

社会保険労務士受験生の皆さん、こんにちは。

平成28年の試験でも出題されましたいわゆる最高裁判決専修大学事件(平成27年(2015年)6月8日)について、東京高裁で差し戻し審が行われていましたが、平成28年(2016年)9月12日(月)に労働者側逆転敗訴の判決(解雇有効)が言い渡されました。
その後、元職員側が最高裁に上告しましたが、平成29年(2017年)7月27日に上告を棄却する決定がなされて、判決が確定しました。

裁判の経緯は次の通りとなります。

専修大学事件の経緯

【東京高裁判決①】

「労災(療養補償給付)受給者には打切補償は支払えません。」
「だって打切補償を払えるのは「会社から療養補償を受ける労働者」って条文に書いてありますから( ー`дー´)キリッ」
「よって解雇制限は解除されないので労働者の解雇は無理です!」

↓大学側の上告↓

【最高裁判決】

「高裁君、何言っとるのキミは。労災(療養補償給付)受給者にも打切補償は支払えるんよ
「会社が保険料払っているんだから会社が自腹切って医療費負担しているのと同じことやで。」
「なので、打切補償を支払って解雇制限は解除できるんやで。これはワイが決めた新ルールや!」
「ワイがいえるのはここまでや。この話お返しするから、後は高裁君が解雇自体の有効性をもう一度よく考えてみい。」

↓差し戻し↓

【東京高裁判決②】

「最高裁さんの新ルールで労災受給者にも打切補償は支払えることになりました」
「その上で解雇の有効性を検証します」
「今回の解雇は客観的で合理的で社会通念上相当なので解雇権濫用には当たりません」
「よって、解雇は有効です!( ー`дー´)キリッ」

↓元職員側の上告↓

【最高裁判決】
平成29年7月27日、原告の上告が棄却され、判決(上告の敗訴)が確定

解雇の有効性と解雇制限の解除は別問題

専修大学事件の判決がでた当時のニュース報道等では誤解を与えるような表現が多かったような気がします。
例えば「労災受給者に一時金を払えば解雇可能の初判断」とか、まるでどんな理由でもお金さえ払えば解雇できるかのような表現もありました。

しかし、解雇自体の有効性と、打切補償を支払って解雇制限が解除できるかは別段階の問題です。

いわゆる解雇権濫用法理にのっとりまず解雇の有効性が判断され、解雇が無効と判断された場合は、打切補償は払おうが、平均賃金の30日分を払おうが、当然解雇は無理です。

一方、解雇が有効だと判断された場合に、次の段階として解雇制限や解雇予告の規制が適用され、それを乗り越えると解雇が可能という順番になります。
給料1か月分払えば気にくわない労働者を即時解雇できるんやでwwwというのは現場たたき上げの経営者の方の大いなる勘違いというもので、通常は解雇権濫用として解雇無効となります。

専修大学事件の最高裁判決も「労災受給者に打切補償の支払が可能」という判断を示しただけで、解雇の有効性自体は別問題だから、もう一度高裁でよく審議しなさいということで差し戻しをしたわけですね。

【最高裁判例】電通事件はコチラから

↓社労士試験に役立つ情報はコチラからもどうぞ↓